前田敦子の女優力が炸裂する、ぐうたら女子の1年間

2015年6月4日

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女優・前田敦子をどのように評価していますか? 長年AKB48のセンターを務め、トップアイドルという看板を背負った者の存在感、芸能界有数の映画ファンとして仕事にかける情熱、そんな彼女の女優としての得難い魅力が存分に活かされた快作「もらとりあむタマ子」が今週のオススメです。

前田敦子演じる主人公のタマ子はアイドルとはほど遠いニート女子。東京の大学は出たものの実家に舞い戻り、男やもめの父親に炊事も洗濯もまかせっぱなしで、ただただゴロゴロダラダラとマンガを読みふける日々。「いつかは何かする、でも今じゃない」と言い放つぐーたらヒロイン、タマ子の1年間がまるで生態観察記録のようにつづられるコメディなのです。

本作の前田敦子のスゴさは、カメラの前でほとんど何もしていないのに、なぜか目が離せなくなってしまうこと。前田敦子という生命体が宿しているエネルギーがキャラクターとシンクロし、人というよりも虫のような、実に風変わりなヒロインとして圧倒的な個性を発揮しています。

監督は「味園ユニバース」での渋谷すばるや「超能力研究部の3人」における乃木坂46など、アイドルを一味違うベクトルで輝かせる才人、山下敦弘。前田敦子本人が「ホントに仕事したっけ?」と笑うほどの放置演出で引き出した女優・前田敦子の真骨頂をご堪能ください。



出演:前田敦子、康すおん、伊東清矢

あらすじ:大学を卒業して実家に戻ったタマ子は、バイトもせず、家業も手伝わずに食べて寝てマンガを読む毎日を送っていた。ある日、父親が再婚を視野に女性を紹介されたと知り、珍しく興味を示して相手の女性を調査しようとするが……。