広島ヤクザの戦いには、仁義も常識も通用しない!世界が認める深作ワールド、ここにあり

2015年4月30日

zingi0501
1973年に公開された深作欣二監督作「仁義なき戦い」は、その後のシリーズも含めて大ヒットを記録しました。その人気は日本国内に留まらず、 クエンティン・タランティーノもこの作品の大ファンであると公言し、「キル・ビル」の冒頭に「深作欣二に捧ぐ」というテロップが挿入されているほど。

「仁義なき戦い」は実在するヤクザの獄中手記をもとに制作された作品。シリーズ第1弾である本作は広島県呉市を舞台に、主人公、広能昌三を取り巻くヤクザの勢力争いを映し出します。それぞれの組から寝返る者、警察と裏でつながっている者、_戦いから逃げ出す者。誰を信じたらよいかもわからない状況で、強い信念を持った広能が相手の組長の首を狙って行動に出ることに。

主演の菅原文太や当時若手注目株だった梅宮辰夫、松方弘樹らの男気あふれる姿はもちろん、金子信雄や田中邦衛の味のある演技も光るこの作品。そしてその血気盛んな男たちのドラマを盛り上げるのに一役買っているのが、荒々しい広島弁を用いた笠原和夫の脚本です。兄弟分を警察に売られたときの「サツに_チンコロしたんはおどれらか!」、調子に乗る親分に向かって「神輿が勝手に歩ける言うんなら歩いてみいや、おう!!」、そしてラストシーンの「弾はまだ残っとるがよう……」といった、一生に一度は使ってみたい名台詞にも注目です。

みなさんには本作だけでなく、ぜひ全5作をご覧いただきたい! その理由は、前作で死んだはずの俳優がいつのまにか違う役として再登場しているというシリーズ最大の謎……いや見どころにあります。例えば1作目で広能の兄弟分、若杉を演じている梅宮辰夫は、3作目以降大阪ヤクザの岩井役として再び登場します。しかしその際梅宮は自らの眉毛をすべて剃り落とし、ヤクザ役以外の演技をするのに明らかに支障がありそうなルックスになってまで役を演じわけるという役者魂を見せているのです。そのほか全5作のうちなんと6つもの役をこなしている名脇役、川谷拓三の、何度殺されても別人格で登場を繰り返す不死身の演技も必見です。そんな役者1人ひとりに注目しても楽しめる「仁義なき戦い」を、ビデオパスでぜひご覧ください。(編集部)



監督:深作欣二
出演:菅原文太、松方弘樹、渡瀬恒彦

あらすじ:昭和22年の広島県呉市、市場で暴れていた男を射殺してしまったことから、広能昌三は刑務所へ入れられた。出所した彼を待っていたのは、その度胸を買ったヤクザ組織、山守組。そうして広能がヤクザの世界へ足を踏み入れた頃に、呉市では山守組と土井組の勢力争いが始まるのだった。寝返りの応酬の末誰もが及び腰になる中、広能は1人土井組組長の命を奪う決心をして……。