「民王 番外編 秘書貝原と6人の怪しい客」主演 高橋一生 インタビュー


高橋一生

─皆さんの想像力を刺激できる俳優でありたい─

取材・文/映画ナタリー編集部写真/合田義弘

2015年にテレビ朝日系で放送されたテレビドラマ「民王」。遠藤憲一扮する内閣総理大臣・武藤泰山と菅田将暉扮するバカ息子・武藤翔の“心”が入れ替わり騒動が巻き起こる中、高橋一生演じる秘書・貝原茂平のツンデレキャラが多くの女性視聴者を虜に。最終回を終えてもその人気はとどまることを知らず、2016年春、番外編ショートドラマの主人公として貝原がカムバック。ビデオパスでは高橋にインタビューを行い、「民王」への思い入れ、そして俳優としての“これから”を中心に話を聞いた。

1980年12月9日、東京都生まれ。ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍。近年のドラマ出演作に、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」「だから荒野」「Dr.倫太郎」「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」など。2015年放送のドラマ「民王」では秘書・貝原茂平を演じ、第86回ザテレビジョン ドラマアカデミー賞にて助演男優賞を獲得した。現在、フジテレビ系ドラマ「僕のヤバイ妻」に出演中。7月12日から東京都世田谷区のシアタートラムにて舞台「レディエント・バーミン」に出演。

──最終回の放送後も何かと話題を集めている「民王」ですが、周囲からの反響は?

ほかの現場でも、作品自体を評価してくださる声を直に聞くことが多かったです。今まであまりなかったことなので素直にありがたいです。

高橋一生

高橋一生

──高橋さん演じる貝原茂平を主人公とした「民王 番外編 秘書貝原と6人の怪しい客」はシットコム形式のショートドラマです。レギュラー放送とはまた違ったアプローチがあったと思いますが、具体的に何を意識されましたか?

貝原という人間をわざと崩したいという気持ちがありました。自分の中で固まっていたメソッドみたいなものがあったんですが、それをいかに崩していくか。同じことをやっていると、きっと僕の中でも面白くなくなってきちゃうので。レギュラー放送から少し時間が空いている分、役柄が進化してるというか、役柄にも日常があって、人に対する接し方もどんどん変化していく。そういうものをずっと表現してみたかったんです。こうして実験のようなこともやらせていただけたので、僕の中で「民王」はある指針になりました。

──作品選びの基準はあるのでしょうか?

選ばないようにしているのが基準かもしれないです。自分の得意分野に依存しすぎてしまうのも俳優としてどうなのかなと。なのでもっと無茶ぶりしてほしいですね。「これを高橋一生にやらせたらどうなるんだろう?」って冒険してもらえるよう、皆さんの想像力を刺激できる俳優でありたいです。

「民王 番外編 秘書貝原と6人の怪しい客」 ©池井戸潤「民王」/テレビ朝日

「民王 番外編 秘書貝原と6人の怪しい客」 ©池井戸潤「民王」/テレビ朝日

──やってみたい役はありますか?

それこそ、(菅田将暉演じる)翔みたいなバカな役とか。あとはもっと振り切れちゃってる殺人鬼なんかも。これまでわりと保守的というか、土台を支えるポジションの役が多かったんですけど、心のどこかに「もっとはっちゃけてみたいな」「もっと大暴走してみたいな」という気持ちがずっとあるので。

──現在35歳の高橋さんですが、40歳に向けて達成したいことは?

僕、ずっと前から35歳っていう年齢に対して、中間結果報告じゃないけど……そういうラインにしておこうと思っていた節があって。ただ35歳までにいろんな役をいただいてきた中で、自分がやりたかった役がやれたかと言ったら本当にやれてないんです。だからこうして貝原のような役に出会えたのは、今まで通ってきた道がまったく無駄ではなかったのかなと。なのでこれからもあまり欲を持たずに、いただける役をしっかりやっていきたいと思います。

──先ほど“バカな役”に挑戦したいというお話がありましたが、オススメのコメディ作品を教えていただけますか。

「New Girl ~ダサかわ女子と三銃士」っていうアメリカのドラマは本当に素晴らしいコメディです。「民王 番外編 秘書貝原と6人の怪しい客」と同じシットコム形式の作品で。マックス・グリーンフィールドっていう俳優さんが好きで観始めたんですけど、何回観ても笑っちゃう。こういうものを目指したいという意味も含めて挙げておきます。

高橋一生

高橋一生

──映画作品でオススメはありますか?

ベン・スティラー主演の「ズーランダー」です。もうあれ以上のコメディ映画はないんじゃないかっていうくらい面白い。ベン・スティラーにウィル・フェレル、あのへんのコメディ感が好きなんです。「笑わせよう!」っていうことじゃなく、単純に必死にやってるから笑えるっていうコメディの原点を思い知らされるんですよね。

──ベン・スティラーは監督としても作品を発表していますが、監督業への意欲はありますか?

うーん。よく言われるんですよ、「監督やる気はないんですか?」って。でももっと知名度上げないとダメですね、きっと。「監督は絶対やりません!」なんてことはないですけど、まず俳優としてある程度のところまでいかないと。だから、いつかやりたくなることもあるのかしらっていうくらいかな。あと監督さん見ていると大変そうですしね(笑)。今はとにかくお芝居に没頭していたいです。