「今夜、ロマンス劇場で」出演 綾瀬はるか&坂口健太郎インタビュー


今夜、ロマンス劇場で

取材・文 / 映画ナタリー編集部

綾瀬はるかと坂口健太郎の初共演作「今夜、ロマンス劇場で」が2月10日に公開される。

本作は、スクリーンの中から飛び出してきたモノクロのお姫様・美雪と映画監督を夢見る純朴な青年・健司の恋をオリジナル脚本で描くストーリー。「人の温もりに触れると消えてしまう」美雪と、「好きなのに触れられない」健司。心を通わせ合う中で、2人の強い気持ちが奇跡を起こす。

ビデオパスでは、綾瀬と坂口にインタビューを実施。今回初めて本格的に共演したという2人に互いの印象や本作への思いを聞いたほか、切なさ満点のイチオシ場面を教えてもらった。

綾瀬はるか(アヤセハルカ)
1985年3月24日、広島県出身。2015年公開の映画「海街diary」で第37回ヨコハマ映画祭主演女優賞、第70回毎日映画コンクール女優主演賞のほか、数々の映画賞に輝く。近年の出演作に映画「ギャラクシー街道」「高台家の人々」「本能寺ホテル」、ドラマ「精霊の守り人」「奥様は、取り扱い注意」など。2013年にNHK大河ドラマ「八重の桜」で主演を務め、2019年放送スタート「いだてん〜東京オリムピック噺〜」にも出演が決まっている。
 

坂口健太郎(サカグチケンタロウ)
1991年7月11日、東京都出身。主な出演作に映画「ヒロイン失格」「君と100回目の恋」「ナラタージュ」、ドラマ「コウノドリ」シリーズなどがある。映画「64-ロクヨン- 前編 / 後編」で第40回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、同年の第41回エランドール賞新人賞にも選ばれた。
 

──お二人は「海街diary」「高台家の人々」と同じ作品に出演しながらも、一緒にお芝居するのは本作が初めてだったそうで。お互いにどのような印象を抱きましたか?

坂口 綾瀬さんは1本の芯が通っている方だと感じました。どちらかと言えば柔らかいイメージが強かったのですが、一緒にお芝居して目と目が合ったとき、その目の奥に何かがあるのを感じて。とても芯の強い女性だと思いました。あと綾瀬さんが現場に来ると、みんな気持ちが華やかになるんです。

──綾瀬さんはいかがですか?

綾瀬 うーん、難しいなあ。

坂口 (ニコニコしながら)さてさて?

綾瀬 そうですね。坂口くんはいつもニコニコしているけど、お芝居を見ていると、本当はすごく頭がいい方なのかなって。話しているときはあまり感じないんですけど(笑)。

今夜ロマンス劇場で

綾瀬はるか

坂口 ん?

綾瀬 「今日の俺もカッコいいよね」みたいなことばっかり言ってたから。

坂口 いやいや、もっとちゃんと話してましたよ!(笑) 僕、この現場では意外といじられるポジションだったんです。主に(武内英樹)監督と綾瀬さんから。

綾瀬 あと北村(一輝)さんにもね。

坂口 そうそう。僕がいじりに乗っかっていたら、どんどん広まっていって。でもポジティブな雰囲気で楽しい現場でした。

──今のやり取りからも現場での和やかさが伝わってきます。おとぎ話のような設定の本作で、綾瀬さんは映画の中から現れるお姫様・美雪、坂口さんは映画を愛する青年・健司を演じました。役に対してどんなイメージを抱きましたか?

綾瀬 美雪は健司に対してまっすぐな気持ちを持っているピュアな女性。王女様だから口調が命令みたいになったり、強く言いすぎてしまう不器用なところもあるけど、そこも含めて愛らしいと思いました。

坂口 健司は真摯で誠実でまっすぐな男の子です。台本を読んだときは、入り口こそファンタジーだけど、美雪と健司の愛の形が細かく描かれているのに感動しました。健司の誠実さがあるからこそ2人の愛に嘘がないと思えるのかなと。

──それぞれ演じた役を男性目線・女性目線で見たとき、どんなところに魅力を感じますか?

綾瀬 健司は本当に優しいし、まっすぐ。いろいろ悩んだり考えちゃうこともあるんだけど、覚悟を決めるときの男らしさも含めてカッコよかったです。

坂口 僕も好きですね、美雪姫。最初はどうして健司はそこまでして彼女を追いかけられるんだろう?って不思議で。けっこうキツいこと言われてたし。でも触れることができないってわかったとき、美雪姫に『ああ、かわいいなあ』と思ってしまって。本当はしたくないのに、拒絶しなければいけない。そういう美雪姫の行動すべてに愛しさを感じるというか。ツンデレってことですよね。だから健司も許せちゃったんじゃないかな。

今夜ロマンス劇場で

坂口健太郎

──確かに美雪は気丈さと弱さを持ち合わせていますね。

坂口 僕、「風の谷のナウシカ」のナウシカが大好きなんです。昔、本当に好きになっちゃったことがあって(笑)。

綾瀬 カッコいいよね、ナウシカ!

坂口 そう言えばナウシカも、美雪と同じく姫ですよね。やっぱりどこか強さのある女性がいいのかな。

綾瀬 私も男だったらきっとそう思います。普段強がっている人が弱ってた姿にぐっときたり。

坂口 そうですね。助けたくなるというか。

綾瀬 魅力的だよね!

──綾瀬さんは姫を演じるにあたって何か参考にした作品はありますか? 劇中には「ニュー・シネマ・パラダイス」をはじめ名作へのオマージュがちりばめられていますが。

綾瀬 どうやったら王女らしく見えるのかなと思って、まず「王女」で検索して引っかかった作品をいくつか(笑)。あとはオードリー・ヘプバーンの昔の作品だったり。ドレスを着たときの所作や歩き方が意外に難しくて、そこは映画を観て勉強しました。

──王女と身分違いの青年が恋に落ちる設定は、まさに「ローマの休日」でしたね。試写を観た人の間では、2人の切ない恋に「泣ける」「感動した」と話題になっています。

綾瀬 どう? 泣いた?

坂口 僕、普段の生活の中で涙を流すことって全然ないんですよ。でもこの作品の台本を初めて読んだとき、飛行機の中だったんですけど、ボロボロ泣けてきて。自分でもびっくりな感覚でした。

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綾瀬はるか、坂口健太郎

──そうなんですね。

坂口 あと涙の話でもう1つ。(本田翼演じる)塔子さんが健司のところに来て、美雪さんと話したことを伝えるシーンがあるんですけど、台本を読んだ段階で涙していたんです。でもそのシーンが、最初のほうに撮影する予定になっていたので、感情を出すのが難しそうだなと思っていて。そうしたら監督が撮影の順番を変えてくれたんです。美雪さんと塔子さんが喫茶店で話したときの音声を僕に聞かせながらカメラを回してくれたので、ホロリと泣けてきちゃいました。

綾瀬 美雪の声もよかったんだね!

坂口 そうですね(笑)。

綾瀬 そのシーンのあと健司が泣きながら走るでしょ? そのとき帽子をぐっと下げるの。あれ、すごい好き。

坂口 あそこは、本気で走ったら帽子が脱げそうになったから深く被り直したんです(笑)。

綾瀬 涙をこらえているように見えて、すごいよかった! あと塔子さんがよろけたとき、健司が「危ない!」って支えるところも切なかったです。とっさに体を支えるなんて普通のことなのに、美雪にはできない。それがどんなに切ないことなんだろうって。いつも当たり前にしていることが、どれだけ大事なことなのか、この映画を観て強く感じました。

「今夜、ロマンス劇場で」は2018年2月10日(土)より全国ロードショー

「今夜、ロマンス劇場で」©2018「今夜、ロマンス劇場で」製作委員会

監督:武内英樹
出演:綾瀬はるか・坂口健太郎・本田翼・北村一輝・中尾明慶・石橋杏奈・柄本明・加藤剛