「ドクターY~外科医・加地秀樹~」主演 勝村政信 インタビュー


ドクターY

取材・文/橋本達典

「私、失敗しないので」の決めゼリフでおなじみ、米倉涼子の主演ドラマ「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」の第4シリーズがテレビ朝日系にて10月13日よりスタート。これを記念して同作初のスピンオフドラマ「ドクターY〜外科医・加地秀樹〜」が、9月29日よりauの動画配信サービス・ビデオパスとテレ朝動画限定で配信される。勝村政信が主演を務める本作は、腕はいいが金には汚い外科医・加地秀樹を軸にしたもの。虫垂炎を患った代議士の娘と難病を抱えた老人を巡りストーリーが展開する。加地に反抗する新米外科医を三浦貴大、代議士の娘を宮脇咲良(HKT 48・AKB 48)が演じるほか、米倉、岸部一徳、鈴木浩介といったシリーズおなじみのメンバーも出演。クランクアップ目前という勝村に、見どころを聞いた。

勝村政信(かつむらまさのぶ)
1963年7月21日生まれ、埼玉県出身。劇団第三舞台の主要メンバーとして活躍。退団後も舞台だけでなく、テレビ、映画、ナレーションなど、幅広く活躍を続けている。現在、出演作「だれかの木琴」が全国で公開されている。10月13日スタートの「ドクターX」新シリーズ、10月17日スタートのドラマ「警視庁 ナシゴレン課」(テレビ朝日)に出演。サッカー好きとして知られ、テレビ東京で放送中のサッカー番組「FOOT×BRAIN」では司会を務めている。

──まず、スピンオフの話を耳にされたときの感想を聞かせてください。

スピンオフについては共演者の皆さんの間でもたびたび話題に上っていたので、わりと冷静に受け止めはしました。ただ、シリーズ初のスピンオフの主役として、僕が選ばれたと聞いたときは「まさか!?」と。50歳も過ぎたというのに? こうして主役に選んでいただけるんですから。江戸時代なら死んでいてもおかしくない年齢だと思うと、本当にありがたい話です(笑)。

──米倉さんはじめ、共演者の皆さんの反応は?

僕が真面目に演じていると聞いて、みんな笑っていました(笑)。先日、第4シリーズの撮影で久しぶりに田村(直己)監督にお会いしましたが、スピンオフだから僕が好き勝手にやっていると思ったらしく、ちょっと驚いていましたよ。

──舞台は茨城県・大洗にある帝都医科大学附属病院の大洗第8分院。これまでも未知子のせいで高松や金沢などへの転勤を余儀なくされた加地ですが、シリーズを重ねるごとにだんだん地方勤務を楽しんでいる気がします。

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「ドクターY~外科医・加地秀樹~」より。©テレビ朝日

楽しむしかないんでしょうね。加地さんは、本当は都会のど真ん中で出世したいタイプだから心では泣いているんでしょうけど、小道具さんの遊び心で机の上はいつしか地方の名産品やゆるキャラであふれてきていますし、もう出世はあきらめて、お金だけを拠りどころにしている気がする(笑)。最初の頃は、みんな自分の役を手探りで演じていたこともあり、スタッフ、出演者が一丸となってキャラクターに深みを持たせていく現場はうれしい限り。ほかにも例の加地のマフラーも、最初は「これするんですか?」って思ったけど(笑)、じゃあそれに合わせた雰囲気にしてみようとか。逆に、米倉さんご本人が使われているゴムチューブがきっかけで未知子がストレッチをする設定が台本に反映されたり。そういう1つひとつの積み重ねがシリーズならではの醍醐味であり、面白いところですよね。

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「ドクターY~外科医・加地秀樹~」より。©テレビ朝日

──「ドクターY」でも、いろんな設定が追加されたりしたんですか?

設定というほどではありませんが、手術のシーンで最初は台本に「ストレッチをする」とあったところを、「それは未知子だから(加地は)違うことにしてみましょう」って。そのシーンが海バックだったので、「じゃあ集中するために座禅を組みましょう」とか(笑)。山田(勇人)監督とも話し合って、キャラクターを深めていっています。なんだかんだ言いつつも未知子に引っ張られ、影響を受けてきた加地がある決断を……というシーンがあったり、ストーリー的もシリーズだからこそ、と言える進化を遂げていると思います。

──三浦貴大さん演じるゆとり世代の新米外科医・岬健太とのやりとりも楽しみです。

岬は若さゆえに青臭くて「人の命を救うためには、お金なんかいらない」というポリシーを持っているものだから加地に反発するんです。そんな岬の姿に、加地はふと医師になりたての頃の熱かった自分を思い出したり。お金が大好きなことに変わりはないけど、彼なりに少し成長しているかも知れません。ただ、4割の方には嫌なヤツだと思われ、6割の方には愛されるような、一方に偏らないキャラクターを心がけて演じているので、個人的には負の面の成長にも期待したいところで(笑)。それを第4シリーズに生かせたらいいと思います。

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「ドクターY~外科医・加地秀樹~」より。©テレビ朝日

──代議士の娘・三船遥香役に宮脇咲良さん。印象はいかがでしたか?

手術台での寝顔にすら清潔感があると言いますか。イメージと全然違う表情も見せてくれる素敵な女優さんだと思いました。今回は盲腸の彼女と、手術の難しいお年寄りを天秤にかけるわけですが、その中で加地の人間的な器の小ささを、より出していきたい。もちろん命を扱う作品ですので、その部分に関しては真摯に演じながら、「ドクターX」シリーズ全体の面白さである人間臭さや、人間としての“揺れ”を表現していければと思っています。よりアグレッシブに、より小さく(笑)。第4シリーズの舞台となる東帝大学病院でも暴れたいです。

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「ドクターY~外科医・加地秀樹~」より。©テレビ朝日

──そんな「腹腔鏡の魔術師」と呼ばれ、腕も要領もいいが金に汚い加地。お好きなサッカーで例えるなら、どのポジションでプレーしていると思われますか?

そうですね、加地さんは……マンチェスターユナイテッドのような4‐4‐2のフォーメーションだとすれば、2トップの、左側とか。絶対的なエースストライカーである未知子のために、ちょこまかと動いてる感じが向いているんじゃないですか(笑)。全体を見渡すボランチは、神原名医紹介所の所長さん(岸部一徳)で決まり。あとはもう、バルセロナのようなツワモノばかり。第4シリーズでも蛭間さん(西田敏行)はもちろん、吉田鋼太郎さん、泉ピン子さんが演じられる新しいメンバーもたくさん登場するので、なんとか堅守速攻の一翼を担いたいです。

──最後に、本作のタイトル「ドクターY」の“Y”はなんだと想像されますか?

単なるアルファベットの並び……というのは冗談で(笑)、なんなんでしょうね。“ドクターX”は未知子のナレーションでも説明がされていますが、“Y”ってなんだろう。でもね、円を表わすマーク(¥)にも似ているし、皆さんいろんな想像をしていただければ。もしかして「ドクターY」を全部観ていただけるとそれがわかるかもしれない(笑)。というわけで「ドクターX」初のスピンオフ、ぜひご覧ください。

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