「ラプラスの魔女」福士蒼汰インタビュー


「ラプラスの魔女」福士蒼汰インタビュー


福士蒼汰インタビュー

取材・文 / 映画ナタリー編集部撮影 / 草場雄介
ヘアメイク / 高橋幸一(Nestation)スタイリスト / 壽村太一
※高橋幸一の高ははしごだかが正式表記

東野圭吾の小説を三池崇史が映画化した「ラプラスの魔女」が、5月4日に公開される。

本作は、遠く離れた場所で発生した硫化水素中毒による2つの不審死を追うミステリー。事件を調査することになる地球化学の専門家・青江修介を櫻井翔、あらゆる自然現象を予知できるヒロイン・羽原円華を広瀬すずが演じた。

ビデオパスでは、事件の秘密を知る青年・甘粕謙人役の福士蒼汰にインタビュー。自身のイメージを覆すミステリアスな役柄についてや、3度目の参加となる三池組に関して語ってもらった。さらに「もし未来が予見できるとしたら、それを知ることは幸せか?」というテーマで話を聞いた。

福士蒼汰(フクシソウタ)
1993年5月30日生まれ、東京都出身。2011年に「仮面ライダーフォーゼ」で初主演を務めて注目を集める。その後はNHK連続テレビ小説「あまちゃん」や「図書館戦争」シリーズ、「神さまの言うとおり」「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」「無限の住人」「ちょっと今から仕事やめてくる」「曇天に笑う」など話題作に立て続けに出演した。2018年には7月20日に「BLEACH」、10月26日に「旅猫リポート」が封切られる。

自分の寿命が知れたらラッキー

──本作の題材は、19世紀にフランスの数学者ピエール=シモン・ラプラスが提唱した、計算によって未来を予見できる知性“ラプラスの悪魔”です。福士さんはもともと理系でいらしたんですよね。

学生時代は数学とか物理とか、理系科目が好きでした。逆に国語や社会があんまり得意じゃなかったんですが(笑)。でもこの映画はあくまでミステリーなので、謎解きとして楽しめる部分が大きいと思います。何か理系の公式がわからないと理解できないようなお話ではないですし。

福士蒼汰

福士蒼汰

──作品自体が問いかけるテーマにもなっていますが、自分や世界の未来が予見できるとしたら、それを知ることは幸せだと思いますか?

知りたいです。この先どうなっていくんだろうという純粋な興味があるし、社会の科学的進歩もすごく気になります。数十年後には、そのあたりに車が飛んでるなんてことがあるかもしれませんから。もちろん知らないほうが幸せなこともあるから、微妙なところですが……。でも、僕自分は知りたいかなと思います(笑)。

──予見できるのが、ご自身のことだとしても恐怖はないですか? 寿命とか、いつ病気になるのか、とか。

それは知れたらラッキーだと思います。どう生きるべきか逆算できるので。突然、死が訪れて「あれやっておけばよかった!」と思うよりは、「ああ、この日に死ぬんだ。じゃあこれをやっておこう!」と考えられますから。

──前向きですね。

確かに、前向きかもしれません(笑)。

高速で言語を習得できる能力が欲しい

──では“ラプラスの悪魔”のように、人よりも秀でた能力を手に入れるとしたら、どんな力が欲しいですか?

あまりそういう願望はないんですが、1つだけあるのは、高速で言語を習得できる能力です。

──普段から英語を勉強されているんですよね。

はい。言語自体に興味があって、英語の勉強をしています。英語以外にもいろんな言葉を学んで、世界中の人とお話できたらすごく面白そうじゃないですか。何カ国語もしゃべれるような方って実際にいらっしゃいますが、そういう方は言語野というか、脳の動き方がちょっと違うのかもしれない思います。

──外国語に興味があるのは、海外の作品に出演したいという思いからですか?

もちろん仕事としてもそうなんですが、一番の理由はただ会話がしてみたいんです。現地の言葉で海外の方々とコミュニケーションを取ることができたら、どれだけ知見が広がったり、考え方が変わったりするだろう、と思って。日本にいてももちろん知識は蓄えられるんですが、その範囲が世界に広がったら……という好奇心が大きいですね。

“日常溶け込み型”の青年でいよう

──では本題である、映画の話題に移りましょう。福士さん演じる甘粕謙人は、広瀬すずさん扮するヒロイン・羽原円華が必死に探している失踪中の青年という、謎めいた役どころでした。

原作は、東野圭吾さんの作品だけあってミステリー要素が強い印象でした。その中でも謙人は謎に満ちた青年で、どこへ向かっているのか、何にどう関わっているのかもわからない。読んでいて知りたくなる人物だったので、自分が演じるうえでも観てくださっている方に「どんな人物なんだろう?」と考えてもらえる役柄にできればいいなと思っていました。

福士蒼汰

福士蒼汰

──映画のビジュアルも、黒っぽいメイクや衣装など、これまでの福士さんのイメージを覆すようなものだったので驚きました。今までは「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」の南山高寿のような優しい男の子の役が多かったですよね。

自分自身、根底は明るいところがあるのですが、他人に対して壁を作ってしまう自分もいて。初めて会う方からすると、謙人のような何を考えているのかわからない人間という印象があるかもしれません。

──以前、本作の役作りについて「三池監督からは『ミステリアスでいてほしい』と言われていたので、そこをどう表現するかをすごく悩み、考えました」とおっしゃっていました。悩んだ結果、どのような表現にたどり着きましたか?

謙人の根底にあるのは悲しみや憎しみといった感情だと思ったので、まずそこを基本に置きました。最初に登場するときは、ビジュアルもわりと普通なんです。監督やスタッフの方々と話し合って、服も全身黒ではなくネイビーのトップスにデニムのような、より普通の青年でいいのかなという答えになりました。「こんな人が事件に関わっているとは思えない」というような“日常溶け込み型”というか、普通の男の子に見えるほうが、観ている方も役柄とのギャップにいい意味で混乱する気がして。円華と会っていた頃の謙人は、いい人を演じている部分もあるので、あからさまにミステリアスさを出さないように意識しました。

広瀬すずちゃんは、人の目を奪う能力を持っている

──それに対して、クライマックスでは感情的なお芝居をされていました。

脚本上でも、前半にはまったくなかったような「!」のついたセリフが多かったので、エモーショナルな演技になりました。

──重要なシーンで共演された豊川悦司さんのお芝居も真に迫るものがありましたね。

はい。すごく独特なお芝居でした。技術的なことや、演技プランについて話し合うことはなかったので、現場で対峙させていただいたときは、圧倒されました。

──他に共演シーンが多かったのは、広瀬すずさんでしょうか。

はい。この作品では他の方との共演シーンが少なかったんですが、その中で多かったのは広瀬さんです。刺激を受けた部分はすごく大きいです。自分は広瀬さんの目がすごく印象的で。眼力が強いなと。“ラプラスの魔女”じゃないけど、人の目を奪う能力を持っていると思うんです(笑)。

──思わず目を引きつけられるという意味ですか?

そうです。その理由はたぶん、作品の世界にちゃんと立っていられる女優さんということなんです。自信があるからなのか、その根拠はわからないですが、ちゃんと作品世界の中で生きている方は、こちらも目を引かれるんです。ただ一歩現場の外に出ると、すごく天真爛漫で、動くのが大好きで、でも人見知り。複雑な方でした(笑)。

自由度の高い、影響を与える立場の役

──三池崇史監督の現場は「神さまの言うとおり」「無限の住人」に続き3度目ですね。ずばり、三池組とはどんな現場ですか?

厳しい、キツいと思ったことはありません。でもゆるい現場と思ったこともなくて、メリハリがあります。すごく優しさにあふれているけど、それがダルッとした現場にならないのは、監督の醸し出す空気なのかなと思います。各部署が生き生きとしていて、みんなでいいものを作っていこうという前向きな気持ちを強く感じます。

福士蒼汰

福士蒼汰

──監督から細かく演出されることもなく?

ほとんどないです。監督は口調が柔らかいんです。「こんな感じじゃない……?」というように話しかけてくださる(笑)。でも、自分が迷ったときはいつも、モニター越しにそれを察して、的確な指示をくださるんです。

──三池監督の「無限の住人」でも、福士さんは天津影久として敵役で登場されていました。三池監督は、福士さんの意外な一面を引き出していく印象です。影久や謙人のようなキーパーソンを演じるのと、脚本上の主人公として現場に立つのでは、意識の変化はありますか?

主演として中心に立たせていただくときは、ほかから影響を受ける役であることが多いんです。周りからどう影響されて、それに対して主人公がどう行動していくか。でも今回みたいな役は影響を与える立場なので、すごく自由度が高いなと思いました。最近はマンガや小説など原作のある映画が多いので、ファンの方々のイメージを考えると、主演のときはより一層責任を感じますし。

──座長意識も芽生えるわけですね。

はい。もともと中心となって動いていくタイプの人間ではないので、主演の現場のほうが自分の中で“がんばってる感”はあるかもしれません。「仮面ライダーフォーゼ」で演じた引っ張っていく主人公のイメージが強いかもしれませんが、学生時代を含めて今までの人生で、中心にいた経験はほとんどないんです(笑)。なので今回は、気持ち的にすごく楽な状態で臨むことができました。

「ラプラスの魔女」は2018年5月4日(金・祝)より全国ロードショー

「ラプラスの魔女」

©2018「ラプラスの魔女」製作委員会

監督:三池崇史
出演:櫻井翔 広瀬すず 福士蒼汰 志田未来 TAO 玉木宏 高嶋政伸 檀れい リリー・フランキー 豊川悦司

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