「ちはやふる -結び-」佐野勇斗インタビュー


「ちはやふる -結び-」佐野勇斗インタビュー


佐野勇斗

取材・文 / 映画ナタリー編集部撮影 / 佐藤類

競技かるたに青春を捧げる若者たちを描いた「ちはやふる -上の句- / -下の句-」の続編にして完結編「ちはやふる -結び-」が、3月17日に公開される。

末次由紀のマンガを「カノジョは嘘を愛しすぎてる」の小泉徳宏が実写化した本シリーズ。競技かるたを愛する高校生・綾瀬千早役の広瀬すずをはじめ、野村周平、新田真剣佑、松岡茉優ら、今や話題作に引っ張りだこのキャスト陣が再び集結した。

ビデオパスでは、千早が所属する瑞沢高校競技かるた部にやって来る新入部員・筑波秋博役でシリーズに加わった佐野勇斗にインタビュー。出演作の公開を何本も控え、役者として一段、また一段とステップアップしていく佐野に「ちはやふる」で得たものを語ってもらった。

佐野勇斗(サノハヤト)
1998年3月23日生まれ、愛知県出身。2015年公開「くちびるに歌を」で俳優デビューを飾る。その後、「高台家の人々」「ミックス。」やテレビドラマ「砂の塔~知りすぎた隣人」「トドメの接吻(キス)」などに出演。2018年に「羊と鋼の森」「青夏 Ao-Natsu」「3D彼女 リアルガール」「走れ!T校バスケット部」の公開を控える。5人組ボーカルダンスユニット・M!LKのメンバーとしても活動中。

──2018年はドラマ「トドメの接吻(キス)」に始まり、映画も「羊と鋼の森」「青夏 Ao-Natsu」「3D彼女 リアルガール」「走れ!T校バスケット部」など公開作が目白押しです。俳優・佐野勇斗としての意識も変わってきたのでは?

正直、去年の今頃はお芝居が好きとははっきり言えませんでした。1人で現場に行く不安もあったし、すべての責任を自分で背負わなければいけないので。でもM!LKという“チーム”があるように、それぞれの作品も“チーム”なんだと「ちはやふる」の撮影を通して気付けたんです。お芝居をだんだん楽しめるようになったのも、1人じゃないと思えるようになったのも、この作品がきっかけです。

──芝居の相談をできるような関係性の人も増えましたか?

幸い僕はそういった人たちにいつも恵まれていると思います。「ちはやふる」だったら、特に森永(悠希)くんにいろいろ相談させてもらいました。今回演じた役に関してすごく悩んだので。

──佐野さんは、主人公・千早たちが所属する瑞沢かるた部の新入部員として入ってきた筑波秋博役で出演されました。

後輩のくせにすごく生意気なやつで(笑)。かるた経験者っていうプライドがあるから、そのせいで先輩とぶつかることもあります。試合でミスを経験して、それを乗り越えてだんだん素直になっていくんですけど。

佐野勇斗

佐野勇斗

──佐野さんは以前、役作りに関して「まず自分と似ているところを探す」とおっしゃっていましたが。

筑波に関しては(似ているところが)なかったんですよ。だから本当に難しかった。僕、昔サッカー部に入っていて、そこにスーパー生意気な後輩がいたんです。だからその子を参考にしました(笑)。あいつもこんなこと言ってたなあ、なんて思いながら(笑)。

──その後輩も「ちはやふる -結び-」を観てくれますかね?

観てくれるかなあ(笑)。サッカーはうまいけど本当に生意気だったんです。「おい、勇斗!」って呼んできたり。でも僕、けっこうそういう後輩が好きなタイプで。「お! 生意気だなー、元気いいなー!」なんていつも言っていました(笑)。

──いい先輩ですね!(笑)

どうなんでしょう? ただ単純に、仲良くしてくれることが好きなので。

──役のイメージ像はあったようですが、森永さんからはどんなアドバイスをもらったんですか?

「勇斗はいつも気を使っちゃう子だけど、もっとガツガツしていいんだよ」と言ってもらいました。ほかにも「お芝居でやりすぎたからって怒る人なんていない。自分が『こうだ!』と思ったことは、間違いでもいいからとりあえずやってみなよ」って。撮影後も「僕は今後どうすればいいでしょうか」という人生の相談を(笑)。もりりんの存在は本当に大きいです。

──心強い役者仲間に出会えましたね。

もりりんも言ってくれたみたいに、どうしても気を使ってしまうタイプなので、自分からみんなの輪に入っていけないんです。「うぇーい、遊びましょうよー!」なんて言えない(笑)。「ちはやふる」の現場でも、最初は「僕は大丈夫なんで……」みたいな感じでいたんです。でも瑞沢かるた部の先輩たちが「来いよー!」って無理やり引っ張ってくださって。おかげで早い段階からなじめました。

佐野勇斗

佐野勇斗

──瑞沢かるた部のメンバーがそろったとき、佐野さんをいじる先輩たちがすごく楽しそうでした。本当に“新入部員”の存在がうれしいんでしょうね。

僕なんて、いじってもらえないと何もできないですから(笑)。例えば(野村)周平くんや矢本(悠馬)くんは、みんなで一緒に取材を受けているとき、僕があまり発言できていないのを気にかけてくれて。「あいつ全然しゃべってないから何か振ってやろう」みたいな感じでいじってくださるんだと思います。「あれ、お前誰だっけ?」とかふざけて言われたりしますが(笑)、愛を感じます。皆さん優しいなあって。

──自分からグイグイいくタイプではないという佐野さんですが、舞台挨拶では率先して「盛り上がってるかー!」と観客をあおっていますよね。それも佐野さんなりの気遣いだったり?

あれは正直、自分のためにやっています(笑)。緊張しいなので。「とりあえずリラックスしなよ、勇斗!」って自分に言い聞かせるためです。

──そうだったんですね。「ちはやふる -結び-」では、受け継いでいくこと、つないでいくことがテーマとして描かれます。佐野さんにとって「ちはやふる」に出演した経験は、未来の自分にどんなことを残せたと思いますか?

筑波を演じたおかげで、幅が広がったというか。演技ってこうやっていいんだ!ということに気付けました。言い方は悪いですけど、皆さんめちゃくちゃなことをするんですよ(笑)。本当に自由で。僕だったら、こんなことやっていいのかな?と不安になるようなことも、本番でいきなり仕掛けてきたり。お芝居ってこういうものなんだと学べました。

──それは大きな気付きですね。

お芝居というものがわからないと思いながらずっとやっていたので。今後の自分にとって大きな経験値となった作品でした。

佐野勇斗

佐野勇斗

──今作の中で、佐野さんが“自由にやってみた”シーンはありますか?

一番印象に残っているのは、筑波が試合で失敗したあとにみんなで練習している場面です。「お前あのとき失敗したよな?」と先輩に指摘されて、筑波が「ごめんなさい」って謝ってバッと逃げるんです。

──試写室で笑いが起きていましたよ。

本当ですか! あのシーン、最初は一言謝るだけだったんです。そのあとにバッと逃げるのは、僕ともりりんで考えた演出で。筑波は生意気なだけじゃない、かわいいところもあるんだよっていうのを伝えたかったんです。それを実行できたのはもりりんのアドバイスがあったから。以前の僕だったら絶対できなかったので、そういう部分でも「ちはやふる」は自分にとって大きな作品になったと思います。

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