つるの剛士オススメ「夏休みに親子で観たい映画特集」


つるの剛士オススメ「夏休みに親子で観たい映画特集」


つるの剛士オススメ「夏休みに親子で観たい映画特集」

夏真っ只中、ビデオパスでは「夏休みに親子で観たい映画特集」と銘打った特集を実施。5人の子供の父親であるつるの剛士に大好きな作品、今も大切にしている自身の代表作、ビデオパスがオススメする作品、そして独自の育児論についても語ってもらった。

取材・文/ビデオパスnavi編集部 撮影/杉 映貴子

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は外の世界へ連れて行ってくれた

つるの剛士

──「夏休みに親子で観たい映画特集」と銘打ち、つるのさんにオススメの作品を紹介してもらえればと思っています。まずはお好きな映画を教えてください。

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が好きです。ベタで申し訳ないんですけど、ずっと好きですね。

──お子さんと一緒にこの作品を観たことは?

あります、あります。みんなでワイワイガヤガヤしながら観て、楽しんでます。

──ちなみに何回ぐらい観ているんですか?

もう数え切れないくらい。最初に観たのが小学校の高学年のときなんですけど、封切りで観ているのでもう30年以上も前。観て楽しむだけじゃなく、テキストを買ってジョギング中にオリジナルを聴いて英語の勉強をしたりもしましたね。まあ初めは、とにかくデロリアンがカッコいいって感じでしたけど(笑)。そのあと何度も観て伏線の張り方とか、ストーリーの構成とか、映画の面白みと言える要素が全部詰まってると改めて思って。いろいろな映画を観てきましたけど僕にとっての映画の原点。あとは音楽! オールディーズはこれで知りましたし。

──公開は1985年なのでもう31年も経っていますね。好きなシーンを教えてください。

やっぱりあれかな、マイケル・J・フォックスが「ジョニー・B.グッド」を弾くライブのシーンかな。「アース・エンジェル」が流れるチークダンスのシーンの雰囲気も好きです。あとはクリスピン・グローヴァーとマイケル・J・フォックスが洗濯物を持って掛け合うシーン! そこでコントみたいなことをするんですけど、そのときの2人のやりとりが面白くて。

──先ほど映画の原点というお話と、オールディーズの音楽というお話が出ました。そのどちらも今のお仕事と深く関わっていますね。

はい、この作品にすごい影響を受けてます。バンドというものも、この作品で初めて知りましたし。当時は検索とかできなかったので、作品の中にちりばめられたオールディーズの楽曲をレコード店に探しに行ったりしました。演技のことも含め、いろんな方面から影響を受けたし、自分を外の世界へ連れて行ってくれた作品ですね。

「ウルトラマンダイナ」の主人公アスカ・シンと一緒に成長し続けている

つるの剛士

──親子で観る作品といえば、アニメと特撮ヒーローものが多いかなと思うのですが、つるのさんは「ウルトラマンダイナ」で主人公のアスカ・シンを演じていますね。つるのさんにとって、どのような作品なのでしょうか?

自分の代表作です。この作品の撮影が始まったとき僕は22歳。芸能界に入って間もなくて、大きな役は初めてでした。でも当時の僕は生意気で、根拠のない自信にみなぎっていて、アスカ・シンがそのまま等身大の僕だったんです。オーディションで僕を選んでくれた小中(和哉)監督も「つるのはアスカだ」と思って選んだとおっしゃってくれて、とにかくもう等身大のままぶつかっていこうと考えていましたね。

──そのような考えで撮影に臨まれたんですね。

はい。1年間ほぼ毎日撮影をしていたんですけど、それはそのまま僕とアスカの成長日記みたいな感じでした。全51話の撮影の中で意識もどんどん変わって。1話を手がけた小中監督が最終話も担当されたんですけど、そのとき「アスカは成長したよね」って言ってくださって、本当にうれしかった。それで僕は、最終話のあともアスカは成長し続けていると考えていて、だからシリーズの劇場版とかにアスカとして出演するとき、「アスカはこんなんじゃないんだ」と言って脚本を変えてもらったこともあるんです。僕がアスカなので口挟ませていただきますって感じで(笑)。僕もこの芸能界で旅をし続け、今もアスカと一緒に成長してるんです。だから僕は今も等身大のアスカで、僕が腐ったらアスカも腐るんですよ。それぐらいずっと大事にしています。

──当時、歴史的シリーズのヒーローを演じることをどのように考えていましたか?

僕も小さい頃ウルトラマンに夢を見させてもらったんです。3歳か4歳のとき、誕生日プレゼントにウルトラセブンの変身セットを買ってもらって。バッジとウルトラアイとアイスラッガーが黒いケースに入ったセットだったんですけど、それがすごくうれしかった。幼稚園の短冊にもウルトラマンになりたいって書いたりしたんですけど、世の中の男の子ってだいたいそうですよね? でもその中で本当にウルトラマンになれたのは20人ぐらいしかいないわけで(笑)。その1人になれたことは、ただただうれしいですし、本当にありがたいです。

──なるほど。

あと放送から20年近く経ってるので、当たり前ですけど番組を観ていた子供たちが大人になっているんですよ。その子たちが街で僕に駆け寄って来て(ダミ声で)「つるのさん、僕アスカ観てました」って声をかけてくれるんです。ヒゲを生やしたムキムキのお兄ちゃんになってるんですけど(笑)。そのとき自分の歴史というのをすごく感じますね。

──テレビシリーズ放送中の1998年3月に公開された映画「ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち」についても伺えますか?

テレビシリーズの撮影が始まってすぐ映画も撮り始めたんですけど、テレビと映画はスタッフが違って、映画班は本当に怖かったですね。台本を持って現場に入ると「おいアスカ、何台本持って入ってきてんだ!!」って怒鳴られたりして、今はいい思い出なんですけど(笑)。あと、テレビもそうだったんですけど撮影はまだフィルムだったので、NGが出せないんですよ。あの緊張感ある現場を体験できたのはやっぱり貴重でしたね。

──これから初めて「ウルトラマンダイナ」を観る子供、昔観ていたその親御さんに一言いただけますか。

ウルトラマンって直訳すると超人(ちょうひと)じゃないですか? つまり人なんですよ! だから誰でも、それぞれの場所で超人、ウルトラマンになれるんじゃないかと考えていて。だから僕は子供たちに「誰でもウルトラマンになれるんだよ」って話してきたし、今もそう言っています。昔子供だった大人たちには、観直して子供のとき心に秘めていた正義感や、夢を持っていた気持ちを思い出してもらえたらうれしいですね。

「アーロと少年」の主人公たちは共有して、共感し合って、お互いの心をつなげていく

つるの剛士

──次はこちらのオススメ作品「アーロと少年」についてお話ができればと思います。

この作品は、子供たちが映画館で観てきて「面白かった」って家で話を聞かせてくれました。一緒に観に行きたかったなー。子供たちのばあちゃんがすごい映画好きで、一緒によく観に行ってて、僕は仕事で行けないことが多いので、本当にうらやましい。

──つるのさんも感動すると思いますよ。この映像を観ながら感想を聞ければと思います。

(プロモーション映像を観ながら)まずはピクサー作品ならではの映像美ですね。「トイ・ストーリー」のときもびっくりしましたけど、CGがそこからこれだけ進化してるんだって、それだけでもう感動です。これが子供たちにとって当たり前になっちゃうっていうのがすごいですよね。目が肥えるというか。僕らは昔の映像と比較ができるから「すげえ!」ってなるけど、子供たちにとってはこれが当たり前ですから。これからどうなっていくんですかね? 楽しみでもあり、怖くもあります。

──本作は、恐竜の子供アーロと人間の少年スポットというひとりぼっち同士が出会い、種を超えた友情で結ばれ、一緒に成長していく物語になっています。

うちはワンちゃんと猫ちゃんを飼ってるんですけど、日常的に動物と子供との友情を感じますね。子犬、子猫のときから飼っていて、家族の一員なんですけど、子供も動物が家族にいることですごく成長させてもらってると思う。ワンちゃんも猫ちゃんも僕には全然なつかないのに、子供にはすごい甘えて(笑)。特に猫ちゃんは僕には抱っこもさせてもくれないんですけど、食事のときも寝るときも娘のところに行くんです。言葉は通じないんですけど、心は通じ合っていて、互いの絆みたいなものが絶対にあるし、育まれてるんだと思うんですよ。それがこの作品にも描かれていると思います。 さっきの映像にもお互いにいろんなものを共有して、共感しあって、お互いの心がつながっていくんだなとも思わせるシーンがあったし。

──おっしゃるとおりです。この作品では、友情のほかに“恐怖に立ち向かうこと”が物語の軸になっています。子供の自立についてはどのように考えられていますか?

うちの子供たちは自立してますよ。みんなで明後日から5日間、沖縄へキャンプに行くんですよ。あと中学1年生の息子が最近ニュージランドから帰ってきて、登山とか、ロッククライミングとか、滝から飛び降りたりとかしてきたみたいで。その息子は来週から富士山に自給自足の旅に出るんです。僕も明日から仕事で富士山に登るんですが、子供たちのほうがずっとパワフル。

──すごいですね!? お子さんたちが積極的にそのような体験ができるように意識されているんですか?

僕も自然遊びが好きで、サーフィンやったり山に登ったりするんですけど、その中で思うのは、人って簡単に死んじゃうということ。そういうリスクを考えて自分でマネジメントする能力と一緒に、五感を発達させることができる場所でもあると思っていて。だから僕はそういうことにどんどんチャレンジさせたいと思うんですけど、チャレンジさせるには親の勇気も必要なんです。そういう場所に出すには子供を信頼していないといけないから。だから僕は、子供との信頼関係をしっかりと持っていたい。

僕が素敵に生きていくことが子育てで一番大切

つるの剛士

──お話を伺ってるとお子さんと一緒のときは、アクティブに外で遊んでいらっしゃるんですね。

いや、家で息子とゲームのストリートファイターをやったりもしますよ。いやあ、息子がもう強くて。僕は世代的にストリートファイターをプレイした元祖なので、負けたくないんですけど、あっさり負けるんですよ。もう息子のバルログが超強くて(笑)。

──インドアな面もあるんですね(笑)。育児において大切にしていることを教えてもらえますか。

正直言って育児は二の次三の次なんです。まずは自分がどう生きるか、どういうふうに楽しく生きていくかを考えます。その次に夫婦が大事で、3番目が子育て。でも子育てと言っても子供から教えてもらうことのほうが多いので「育児!育児!」って感じでもないです。ただ1つ、子供たちには根拠のない自信をつけさせてあげたい。それは僕が父ちゃんと母ちゃんに「パパとママの子供だからお前は大丈夫」って言われて育ったからなんです。その言葉には全然根拠がないですけど、子供にとってすごい自信になると思う。何かでへこたれても「まあ、父ちゃんと母ちゃんの子供だから大丈夫か」ってぱっとすぐ立ち直れるから。

──素敵なご両親ですね。

でもそれって父ちゃん母ちゃんにその言葉を言うだけの威厳というか、説得力がないといけないと思うんです。そうじゃないと子供って納得しないから。僕は子供ながらに自分の両親はすごいと思っていたからその言葉を信じられたので。だから、子供たちにそういうことを伝えるためには、僕自身がちゃんと生きていないとダメだし、夢を追いかけたり、仕事したりとかしなくちゃいけない。うちの奥さんは素敵だし、僕も負けないような生き方をしていきたい。そういう2人の背中を見て子供は育つと思うので、まずは自分たちが素敵に生きて、根拠のない自信を子供たちにつけさせてあげたい。

つるの剛士(ツルノタケシ)

1975年5月26日生まれ、福岡県出身。1997年に放送を開始した特撮ドラマ「ウルトラマンダイナ」で主人公アスカ・シンを演じ、一躍有名となる。その後もウルトラマンシリーズの劇場版にアスカ役で登場するほか、「トワイライト ささらさや」「猫なんかよんでもこない。」などの映画に出演。2008年、クイズ番組「クイズ!ヘキサゴンⅡ」をきっかけに上地雄輔、野久保直樹とグループ羞恥心を結成し、リーダーとして活躍する。また2009年にリリースしたカバーアルバム「つるのうた」は35万枚以上を売り上げた。二男三女の父親。

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